皆様お元気ですか?

さて、今回は前回の投稿でお伝えしたように、「目標を定める②」~逆算して考える~ についての記事をお送りいたします。前回の記事「目標を定める①」は皆様が実際に目標をたてるのにお役に立てたでしょうか?また、実際に皆様は時間を取って今年の目標を設定しましたか?

さて、本題に入ります。そしてその前に少し考えていただきたいのですが、今回のテーマの主題である目標を設定する際に「逆算して考える」という意味はどういう意味だと思いますか?

出来る限り分かりやすく解説したいと思います。

逆算して目標を設定することの重要性は、家を建てるのに例えるとよく分かり、またそれがいかに大切であるか理解していただけるはずです。

 

逆算して考える

考え、想像してください。もしあなたが住宅メーカーの管理者、または現場監督であったと考えてみましょう。もし、あなたが顧客から4ヵ月後に家を建て欲しいと依頼されるなら、4カ月以内に家を建てるためには、どのような準備をし、またそのためにどのようなことが必要になってくるか必ず逆算して考えるはずです。

私は住宅メーカーで働いた経験はないですし、大工でもないので実際に家が建てられるためにどのような準備と工程と計画が必要かはほとんど理解していません。それでも、私が今住む家は建売ではなく注文住宅によって建てた家ですので、漠然とはしていますが基本的な家が出来るまでの工程は少しは知っているつもりです。(専門家がこの記事を見たら一杯突っ込まれてしまいそうですが…)。

 

❖家が建つ工程

堅固な家を建てるためには、少なくとも家を組み建て始める前にその土台となる基礎が完成していなければなりません。基礎のために土地を削り、鉄筋を組んで、鉄筋の周りに基礎の重要なコンクリートを流し込む型を組んで囲い、そこにコンクリートを流し込んで固まるまで最低1カ月はかかるでしょう。

 

つまり家を組み建て始める前には最低でも1カ月前には基礎造りの工事が始まっていなければなりません。もし顧客から4カ月で家を建ててほしいと依頼があったらそれだけで1カ月の時間は使うので実際に家を組み立てるには3カ月しかない事になります。そこで管理者である皆様は家の規模と予算にもよりますが、すぐに頭で計算し、逆算して考え、工期に間に合うか検討します。

 

その上で、もし期限内に家を建てることが難しいと判断すれば、その旨を顧客に伝えて工期を伸ばせないか折衝を図るでしょう。また何らかの理由から工期を伸ばせない場合 職人の人数を増やすことが必要となり、それに伴い当初の建築予算から大幅に増額しなければならないことを伝えることでしょう。

しかし、もしこのように逆算した考えを持たず目の前の仕事欲しさに安易にクライアントの条件を受け入れ、そして実際に工期に間に合わなかった場合、当然のことながらクライアントから損害賠償を起こされる可能性があります。または裁判を避けるために当初の予算を超えた分の多額の代金を自らが負担しなければならない可能性が生じてきます。

 

これだけでも目標を達成するために逆算して考えることがごく日常で、またどれほど重要なことか見えてくるはずです。この考えが無ければ、仕事上多大な損失を被ることになりかねません。

 

このようにゴールから逆算して考えることはどのような仕事でも仕事以外のことでも必ずそのように考え実際にそうしているはずです。クライアントからの仕事は大抵「いつまでに仕上がるか」というゴール、つまり目標が必ずあるはずです。また家族で旅行の計画を立てるときにもまず「いつ」または「いつくらい」という目標を立てるはずです。そうでなければ夢の家族旅行は本当に夢のみで終わってしまいます。

 

どんな仕事でもいいですが、クライアントから仕事の依頼があった場合、そして、もしクライアントからゴールつまり期日の指示がない場合(そんなことはないはずですが)、皆様の方から「いつまでに仕上げてほしいのか」または「いつまで仕上げることが出来るのか」その旨を必ずクライアントに伝えるでしょう。そして、クライアントの依頼があまりにも性急すぎて逆算して考えた場合、どう考えても間に合わないと判断した場合は正直にこの期日に仕上げることが出来ないことを伝えるでしょう。

 

あまり普段深く考えないこれらの日常のやり取りは、ゴール、つまりまず目標を定めてから逆算して考えているのです。

 

では実際に家が建てられるまでの工程をざっと見てまいりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

●家が建つ工程①

ビジョン(イメージ)が具現化(物質化)するためには「工程」つまり、「プロセス」が必要です。あなたは家を建てる時に基礎が固まる時間を惜しんでコンクリートを流し込んだ瞬間その上に柱を立てたり、壁や屋根を張ることはしないでしょう。そんなことをしたら家を建てる前に家の土台となる重要な基礎が崩れてしまうからです。まず家を建てるためには土台、つまり基礎を固める時間が必ずなければならなりません。

家を建てるには、まず土を掘り、型を組み、鉄筋を組んで、そこにコンクリートを流し込み、コンクリートが完全に固まるのを待ちます。どのプロセスもとても重要で軽視し省くことは出来ません。そのようなことをすると、家が建たないか、もし建ったように見えても、そう遠くない先に重大な欠陥が生じることでしょう。

 

そのようなプロセスを無視して建てた家は本来顧客とその家族の命を守ることが家の目的であるはずが、いずれその家族の命を危険に晒す元凶になりかねません。そういう工事を業界では「おから工事」と呼ばれています。

2024年新年に石川能登地方で7.6の巨大大地震が発生しましたが、幾つかの古い旧式の家屋で倒壊した家はありましたが、しかし巨大地震であったにもかかわらず殆どの家は倒壊せず堅固にその場所に立ち続けました。

家の主人と家族を守るという本来家が持つべき使命を果たしたのです。日本で大地震が起こる時にいつも日本の建築基準とその堅固な造りに対して世界から称賛を浴びていますが、そのことを日本人として本当に誇りに思います。

 

●家が建つ工程②

家が出来る工程に戻ります。基礎を作るため鉄筋を組んだ基礎の型にコンクリートを流し込んでからおおよそ約1ヵ月後に家の土台となる基礎であるコンクリートが完全に固まると、次は、基礎の上に家の骨組みである柱を組んでいきます(木造建築の場合)。これは、基礎と同じくらい重要なプロセスとなります。

 

特に大黒柱と呼ばれる家の中心に据える柱は通常その家に使う中でもっとも高価で頑丈な最良の木材を使います。建築士であるなら、ここに掛ける費用を渋るような人はいないでしょう。なぜなら、大黒柱が今後数十年、場合によっては数百年その家の存続に直接的な影響を及ぼすことを知っているからです。

 

 

●家が建つ工程③

基礎が固まり、柱を立て、家の骨組みが出来上がるのに更に1カ月近くかかるでしょう。
この時点で施工期限の半分の2ヵ月が消費されています。

残す工期(ゴール)は2ヵ月のみです。

時間が過ぎ、工期が近づけば近づくほど、皆様は逆算する考え、つまり、創造(ビジョン)から、想像へ(青写真、設計図)、そして想像が物質化(家が建つ)するために必要なプロセスを否が応でも意識することになります。

 

基礎が出来、骨組みが出来て初めて壁と天井、屋根を設置することが出来ます。壁と天井、屋根を設置するのに更に1カ月近くかかるでしょう。(今は様々な工法があり、現場ではなく工場で家のそれぞれのパーツを作り現場では組み立てるだけで2~3日で外壁が出来る家もありますね)

 

●家が建つ工程④

工期から3ヵ月が過ぎ、残りは1カ月となりました。家の重要なパーツ(基礎、骨組み、壁、屋根)は整いました。

あとはその他の作業を並行して同時に行うことが出来るようになります
窓を入れる者、床を設置する者、壁紙を貼る者、水道、ガスの配管を設置する者、電気の線を通し電気を引くもの、空調、ボイラーを設置する者、恐らくこれらの残りの作業は、慌ただしく、残り1カ月の工期に間に合わせるべく、一斉に動き出すことでしょう。

家の監督者は、毎日残された時間(工期)を意識しながら、然るべき部署の進捗を把握するために関係者と綿密に調整を図ることでしょう。必要であれば、監督者自ら一緒に現場で動き汗を流すことがあるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ビジョンが具現化するために必要な要素

 

このようなプロセスを通して最初は青写真として頭の中だけにあったイメージ(ビジョン)が、設計図(青写真)を通して実際に形作られていくのです(ビジョンが具現化するための必須要素として「ビジョン」「目標」の他に「計画」と「行動」そしてそれらの地味でしんどい作業を最後まで貫徹するためにそれを達成したいという「願望」つまり強い望みが必要となります。近々「願望」の重要性を記事にします!)。

設計図(青写真)から実際に人が住む家に具現化つまり完成するためには、まず工期(目標)を決めることが重要です。目標(GOAL)を決めることで更にビジョン実現のためになすべき「計画」と「行動」が鮮明に浮かび挙がって来るからです。

 

逆算の考えが見えない原因

しかし、ここまで説明してもまだ逆算する考えが見えてこない方、また理解が出来ない方がいるかもしれません。そのような方は何が何でも達成したいという目標がないか、またはその目標に対して単に情熱がないか、または目標を達成するために追い込まれるような鬼気迫るような状況にいないから、または見ようとしないから見えないのです。

状況に追い込まれることで(契約または何らかの約束)逆算して目標を立てるようになるか、または心の底から湧き上がる純粋な願望のために逆算した目標が見えるようになるかどうかに関わらず、全ての事物が具現化するためには必ずこれらのプロセスを通り、目標を達成したいと真剣に考えるなら、おのずと物事を逆算して先を見るようになってくるはずです。

 

逆算して考えるとは「計画」すること

皆様はもう逆算して考えるという事を大体理解したと思います。そうです「逆算して考える」とは別の言葉でいうと具体的に

「計画」するということなのです。

今回は心の中にある「ビジョン」(イメージ)が実際に物質化するためには、目標に対し「逆算して考える」視点が重要であり、またそれが同時に必要なプロセスであることをお伝えしました。皆様はイメージが物質化するまでのプロセス、また概念を理解されましたか?

このメッセージを見てひょっとしたらこういう方もおられるかもしれません。それは

「私はこれまで逆算して物事など考えたこともないし、難しい目標設定や計画などしたことがない、でも実際にはビジョンが実現したではないか!」という方です。次回の投稿はこのような人のために、更に突っ込んで「それでもビジョンが具現化するためには逆算して考える(計画)ことが必要だ!」ということを記事にしたいと思います!!(しつこい?(笑) )

ぜひ次回「ビジョン具現化の必須要素」で更にビジョンが確実に具現化するために必要なことについてお送りしたいと思います!!

 

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